故大村禎一先生作の染帯を紹介させて下さい。
ご紹介 2018年3月11日
岡崎市の呉服屋、呉服のいちこし。
着物を着て綺麗になり、ほめられて自然と笑顔になる、
人作りアドバイザーの山脇寿人です。ご訪問ありがとうございます。
本日は、故大村禎一先生作の染帯を紹介させて下さい。です。
大村禎一先生は京都市立美術大学日本画科を卒業してから染色作家として
活躍されるようになりました。
日本染織作家展や日本伝統工芸展で数々の受賞を重ねています。
また、日本工芸会正会員として活躍を見せ、その力量からいずれ重要無形文化財の指定を
受けると噂されていた先生でしたが、その指定を受ける前にこの世を去られました。
先生が使用する技法は友禅とろうけつ染です。
友禅は防染剤を用いる手描きの染色方法で、ろうけつ染は模様部分を蝋で防染し染色する技法です。
先生は自分が表現しようとしている世界観に合わせて
友禅とろうけつ染の技法を使い分けられていました。
その為友禅で見せる日本画のような作風と、
ろうけつ染で見せる一見無地のように見える作風があり、
両方を融合させた奥行のある素晴らしい作品も高い評価を受けています。
画像の帯もゲンノショウコウと都わすれの花の部分は、友禅でカッチリ表現され地色と花の影の
部分は巻き糊の技法を使ったロウケツ染めです。
何とも奥深い表現で締めて頂ける年幅も広く、又紬やお召しの先染の着物にも合わせて頂けます。