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北村武資先生の「羅文帛」着尺のご紹介です。

ご紹介 2018年5月16日

岡崎市の呉服屋、呉服のいちこし。

着物を着て綺麗になり、ほめられて自然と笑顔になる、

人作りアドバイザーの山脇寿人です。ご訪問ありがとうございます。

本日は、北村武資先生の「羅文帛」着尺のご紹介です。です。

 

1995年に「羅」を2000年に「経錦」2つの人間国宝に指定される

「北村武資」先生が手掛ける大変希少な「羅文帛」着尺です。

羅の技術を用いてはおりますが、素材感は全く違います。

極細の糸を使用した繊細な織りが魅せる独特な表情は、

風のそよぎを表現したような幻想的で柔らかな光沢を放つ逸品です。

北村先生の作品は袋帯がほとんどですが、僅かながら「経錦」の技法で織られる「経錦」着尺と

ほとんど織られる事がない「羅文帛」の着尺があります。

上品で滑らかな織物で紬とは、到底思えない質感です。

細い糸を平織で織り上げることで生み出された極上の紬は、

しなやかでしわになりにくい上質な特性を持ちます。

全体に織りなされた繊細な縞が、僅かにゆれるように織られているのが分かりますでしょうか。

小さな点が極わずかにだけゆれる、この微妙なやわらぎこそ、

糸を捩って織り上げていく羅織の技法を用いたゆえの表現です。

平織であるのにゆらぎのある独特の奥行きを感じさせる織物。

北村先生が編み出した特殊な織技法です。

20年前に初めて「羅文帛」着尺を見たときの感動は、今でも忘れる事が出来ません。

それは、問屋さんの最上階の5階展示場に陳列されていました。

こんな素晴らしい織物がこの世に存在するのかと思いながらお値段をお聞きすると

当店では、手の届かないお値段でした。

諦めて、4階、3階、2階と品物を見てもあの「羅文帛」着尺が頭から離れません。

 

もう1度、5階に戻り「羅文帛」着尺をまじまじと見て、ここで手に入れなければ

一生の後悔になると感じて、それこそ清水の舞台から3度程飛び降りる覚悟で

購入しました。

それから20年、「羅文帛」着尺を見るのはわずか3度目になります。

2度目の「羅文帛」着尺は当店には向かない品でした。

そう、「羅文帛」着尺なら何でも良いわけでは、ありません。

やはりそこには、お召しのなられる方を想像して「これならお勧めできる」という

品物でなければなりません。

 

今回は、20年振りに出会う事が出来ました「羅文帛」着尺のご紹介でした。

 

 

 

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