マスクの高値取引と希少価値の越後上布。
ご紹介 2020年3月6日
Vol.1117
本日は、「マスクの高値取引と
希少価値の越後上布」です。
岡崎市の呉服屋、呉服のいちこし。
最適な和装で笑顔あふれるご提案!
貴方の和装・お助けマン
山脇寿人です。
ご訪問ありがとうございます。
ここ連日、日本中が
新型コロナウイルスの
話題で持ちきりですね。
そんな今朝の中日新聞1面に
国が再生可能な布製マスクを
2千万枚購入して高齢者の
介護施設や保育所、
学童保育などにいきわたる様に
自治体を通じて配ると報じています。
この、布製マスク一般的には
不織布マスクに比べると
生地の目が大きくウイルスを
カットするフィルターとしては
やや力不足の様です。
ですが布マスクにも色々な
種類があり目的に合った物を
選べば良いのです。
保湿目的なら綿ガーゼを
花粉、ウイルス対策なら
フィルター入りが良い様です。
また、少しでも抗菌性のマスクを
使いたいなら竹布ガーゼのマスクが
お勧め、竹布は抗菌性・消臭性
吸水性・保温性を兼ね備えた素材です。
肌がデリケートな方は
オーガニックコットンを
通気性の良さなら麻ガーゼの
マスクですね。
マスクで通気性を優先したら
マスクの意味がない様に
思いますが?
でも、麻は通気性とシャリ感があり
肌触りがひんやりサラッとしています。
ですので、夏の服装用素材としては
最高級の一つとなります。
その麻の和服地の代表的な物に
「東の越後上布」と
「西の宮古上布」があります。
「越後上布」は、新潟県南魚沼市や
小千谷市を中心に生産される
平織の麻織物です。
西暦700年代には、越後に国から
朝廷に麻織物が献上された「麻布」が
正倉院に収められています。
越後の国の献上品ですので
「越後上布」となりました。
元々、越後は苧麻の生産が
盛んだった為、麻織物を
生産していました。
現在では、福島県昭和村の
苧麻がしなやかで柔らかく
布に硬さが残らないので
こちらを使用しています。
「越後上布」の特徴は
数々ありますが、最大の物は
2~3月に掛けて安定した気候の時に
行う「雪さらし」。
「越後上布」を締まった雪の上に
置いて雪と太陽の力を使い
漂白するのです。
現在ではこの雪さらし、
越後の初春の風物詩となっています。
雪が解けるとき、
水素イオン(あるいはオゾン)が
発生して麻布のような植物性の繊維を
漂白する作用があることを、
昔の人は知っていたのです。
そんな「越後上布」は
2009年ユネスコの無形文化遺産に
登録されました。
今では、年間30反ほどしか
生産されなく、幻の織物と
なり値段も高騰しています。
マスクも品薄でバカ高値で
取引される事がある様ですが
一刻も早く通常の生活に
戻ってほしいものです。
本日もお読みいただき
誠にありがとうございました。