京都で1番小さい袋帯メーカー「啓」さんが名古屋帯を作る理由は?
ブログ 2021年1月29日
Vol.1450
本日は、「京都で1番小さい袋帯メーカー
「啓」さんが名古屋帯を作る理由は?」
岡崎市の呉服屋、呉服のいちこし。
貴女とお場所に合った最適和装をご提案!
貴女の和装のお助けマン、 山脇寿人です。
ご訪問ありがとうございます。
昨日の当ブログは、袋帯と
名古屋帯の製作過程の違いを
ご説明しました。
お仕立て上がって締めてしまえば
同じ様に見える袋帯と名古屋帯、
ですが寸法も違えば柄の配置も
違います。
そんな袋帯の専門メーカーで
京都で1番小さい織物メーカーの
「啓」さんの名古屋帯をご紹介
いたします。
「啓」さんの名古屋帯は、
京都の問屋「工芸こはく」
さんよりの別誂えばかり。
では、何故「工芸こはく」さんが
袋帯専門の「啓」さんに名古屋帯を
別誂えをお願いするのか?
「問題点」
それは、現在の呉服業界の
問題点とも係わりがあります。
現在の和装販売は、お店の大小
拘らず、殆どが展示会販売で
売上を立てています。
稀にコツコツと日々の店頭や
訪問販売で売り上げをしている
所もあります。
この様な小売店は、品物を
吟味して仕入し、大事に
1品づつ販売しておられます。
ですが、その様な販売力の
ある小売り屋ばかりでは
ありません。
でも、販売をしないと生活
出来ませので問屋さんに
品物をお借りして展示会を
開いて集客、販売をするのです。
また、問屋さんも小売店が
仕入をしないので、売り上げを
得る為に展示会販売を小売店に
勧めます。
そんな時、一つのアイテムに
絞った品揃えをすると、
小売店は自店では揃う事の
出来ない品物が展示会中、
揃ので集客しやすくなります。
問屋さんは、その一つのアイテムを
メーカーさんにお願いして
揃えれば、売れた物だけ
仕入すれば効率的です。
メーカーさんも問屋さんの
仕入が減る中、消費者に
直接品物が売れれば返品や
値引なく売り上げが立ちます。
この様に3者3様のメリットが
あり展示会販売が主流となりました。
ですが、問題も出てくるのです。
それは、全国の展示会に出回る
品物は当然、傷みます。
値段も地方の小売店がバカ高く
付けて大幅値引き販売を
しますので、適正価格が
分かりません。
小売店や問屋さんが在庫を
持たなくなる事でメーカーさんの
在庫負担が半端ない事になっています。
「別誂え」
そんな中、別誂えの注文を
承れば必ずお買取となります。
小さい織物メーカーさんとしては
手間は掛るが嬉しい注文です。
また、「工芸こはく」さんも
リスクがあっても自店にしかない
品物を持つ強みが生まれます。
こんな風に業界の現状が
袋帯メーカーさんが
名古屋帯を作る理由なのです。
今日も長くなりましたので
品物のご紹介は明日といたして
私は、午後より全身麻酔の
手術に臨みます。
麻酔から覚めて、キーボードが
打てれば明日、ブログ更新しますね。
本日もお読みいただき
誠にありがとうございます。