染織作家「羅」「経錦」の人間国宝、北村武資先生の訃報と先生の作品との思いでとは?
ブログ 2022年4月4日
Vol.1873
本日は、「染織作家「羅」「経錦」の
人間国宝、北村武資先生の訃報と
先生の作品との思いでとは?」です。
愛知県岡崎市の呉服屋、
和装を選ぶ楽しさと、纏う喜びを
全力サポートする「いちこし」です。
ご訪問ありがとうございます。
立浪ドラゴンズ、昨日は開幕6連勝で
ドームに乗り込んだカープを柳の完封
で3連勝!気持ち良くなった山脇寿人です。
でも、どの試合も冷や冷やものでした!
で、今朝の中日新聞・スポーツ欄を
楽しみにページをめくると見覚えの
ある人物の名を嫌な所で発見。
そう、死亡記事欄に載っていた
その名は、「染織家・北村武資」
3月31日、京都のご自宅で
お亡くなりになられた、と。
死因に関しての記事は無く
葬儀は、親族のみで執り行われた、
様です。
人間国宝と言えば、国が認めた
重要無形文化財の各個認定の保持者。
そう、個人に与えられるものです。
で、北村先生は古代の織物「羅」(ら)
の復元で1995年にまた、経糸に複数の
色を使って模様を表現する「経錦」(たてにしき)
の復元で2000年に2度目の認定を受けられています。
織物を探求する、その真摯な
姿勢は、西陣でも群を抜いて
いて多の追従を許さない、と
伺ったことがあります。
当店でも「羅」の袋名古屋帯や
「経錦」の袋帯の取り扱いを
させていただきましたが、私が
一番、魅入られた作品は
「羅文帛」(らもんぱく)。
縦方向に糸が揺らぎ、羅にも通じる
構造美を感じさせますが羅の組織では
なく、平織を変化させて織られています。
経錦の織とはまた違う、軽やかで
さりげない着こなしを楽しんで
いただける、大変稀有な着物地です。
そう、あれは二十数年前の4月、京都
千切屋さんの5階の展示室で1反だけ、
初対面の「羅文帛」、魅入って数分立ち
止まり、値段を聞いて諦めた事を覚えています。
そこから、階を下がって見る品物
どれもに目が入らず、また5階に戻り
「やはりこれだ!」と清水の舞台から
飛び降りる思いで購入。
その後、どの問屋さんでも「羅文帛」を
見掛ける事は無く、20年が過ぎた2018年
が最後となりました。
あー、もう北村先生の作品が
出来上がらなくなる、現実を
受け止めなければなりません。
国にとっても、業界にとっても
大きな方を失いました。今は、
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
本日もお読みいただき
誠にありがとうございました。