今日8月3日は「ハサミの日」和服の反物に鋏を入れる時に気を付ける事とは?
ご紹介 2022年8月3日
画像は、お借りしました。
Vol.1990
本日は、「今日8月3日は「ハサミの日」
和服の反物に鋏を入れる時に気を付ける事とは?」です。
愛知県岡崎市の「呉服のいちこし」
和装を選ぶ楽しさと、纏う喜びを
全力サポートいたします。
ご訪問ありがとうございます。
今日8月3日は、「ハサミの日」
美容家で山野学苑創設者の
山野愛子が、「針供養」に倣って
「ハサミ供養」を提唱し、1978年
から実施。
八(は)三(さ・み)で「はさみ」
の語呂合せで、 使えなくなった
鋏の供養が行われる。と。
衣装の仕立てで欠かせない
ものの一つに鋏があります。
和装の場合、留袖や訪問着など
は、絵羽で柄の出る位置が
決まっていますので、仕立て
間違いは、ほとんどありません。
ですが、小紋や紬、お召など
反物全体に柄付けがしてある
ものは、要注意!
小付けのものや江戸小紋、
単調な縞模様などは、比較的
反物通りのお仕立て上がりと
なります。
これが、横段や縞でも片方に
寄ったもの、片側だけに
柄の付いているものなど。
これらの反物に鋏を入れる
時は、それこそ慎重に入れないと
とんでもない事となります。
お仕立て上がりの柄出しを
想定して、鋏を入れなければ
全く違う出来上がりとなります。
昨年、お仕立てした男物
浴衣でご説明しますね。
数ある男物浴衣からこちらを
選ばれたお客様のお孫さん。
この反物の特徴は、何と言っても
左端のグレー地に麻の葉を染めた
部分です。
この部分を出来上がった時に
表に出さないとこの反物を選んだ
意味がありません。
ですが、グレー地の部分が
細いためこの部分を出すには
大胆な柄取りが必要となります。
この様な柄の反物をお仕立て
する時、通常なら「追っかけ」
と言う柄取りをします。
ですが、こちらの浴衣、先程も
書いたように、グレー部分が
細いため「追っかけ」ですと
柄が充分出ません。
なので、ここはこの浴衣の
特徴が最大限出る様な柄取り
をする様に鋏を入れたのです。
それが、こちら上前と両袖先
と背中の真ん中に柄が出る様
にお仕立て上げました。
この様に仕立て上がりの柄出し
を想定し、その反物の特徴を
最大限出る様に鋏を入れる事
が肝要。
そこは、間違わない様にいつも
気を使っています。
本日もお読みいただき
誠にありがとうございました。