京都「石川つづれ」さんの機場見学、ご報告。番外編?
ご紹介 2022年10月3日
画像は、「石川つづれ」さんH.P.より
Vol.2058
本日は、「京都「石川つづれ」さんの
機場見学、ご報告。番外編?」です。
愛知県岡崎市の「呉服のいちこし」
和装を選ぶ楽しさと、纏う喜びを
全力サポートいたします。
ご訪問ありがとうございます。
今日から72候では、「水始涸
(みずはじめてかるる)」
水田の水がなくなり始める
実りの時季、と。
画像は、お借りしました。
頭を垂れる金色に光る稲穂
を見ると、秋が段々と深まり
いよいよ収穫の季節を感じます。
種籾の用意からはじまり、
収穫にいたるまでは約半年間。
その間、農家の方達はさまざまな
困難を乗り越え、田んぼを守り
収穫にたどり着きます。
昨日来、当ブログでご紹介
している主に袋名古屋帯を
製作されている「石川つづれ」さん。
「石川つづれ」さんH.P.より
柄にもよりますが、織り職人が
糸を機に掛けて織り始めてから
完成するまでに約半年間。
「石川つづれ」さんH.P.より
来る日も来る日も、下絵と
向き合って、より良いものに
仕上げる為の作業が続きます。
時には、自分流の糸を作りながら
丁寧に緯糸を渡し、ギザギザにした
中指の爪でその緯糸を掻いていきます。
時には、織り間違いをする事
もあり、そんな時は織られその
部分までを解き修整します。
織り間違いを発見できるのは
その時でなく、2∼3cm織り進ん
だ後のこと。
それを修正せず織り上げると
正規品として認められなく、
流通に乗らないので市場価値
が無くなってしまいます。
約半年間の努力と糸代や
デザイン料などの諸々が
泡となって消えてしまうのです。
そうしない為には、解いて
修正をしなければなりません。
また、長期に渡っての織る
作業は、季節をまたいでと
なります。
絹糸は、温度や湿度に影響を
受けやすく、夏場や冬場では
経糸の伸びなどが微妙に違います。
そんなとこ世にも気を付けて
の作業となるのです。
約半年の渡る、織りに作業
では、経糸を張り続ける事は
命取りなので、その日の作業を
終わると、経糸の張りを緩めます。
乾燥した、冬場にその日の
作業を終えて何故か経糸を
緩めずに帰宅した織り職人。
翌日、機を見ると経糸が
切れていて、真っ青に。
一度切れた縦糸の修復は、
不可能で、8割方出来ていた
その品物は泣く泣く機から
降ろした事も。
そんな、困難を乗り越えて
出来上がった「爪掻き本つづれ」帯
大切にご紹介いたします。
農家の方も織り職人にも
頭が上がりませんね(笑)
本日もお読みいただき
誠にありがとうございました。