譲られた年代物の留袖の問題点、その2。
ご紹介 2019年12月14日
Vol.1032
本日は、「譲られた年代物の留袖の
問題点、その2。」です。
岡崎市の呉服屋、呉服のいちこし。
着物を装い素敵になり、
ほめられて笑顔になる、
笑顔作りアドバイザーの
山脇寿人です。
ご訪問ありがとうございます。
年代物の留袖を洗い張り、
お仕立て替えを承った
昨日の記事の続き。
ここで問題のおさらい。
年代物には、良くありますが
反物の幅が狭いのです。
身幅などは、狭くても
柄合わせや着方である程度
調整出来ます。
しかし、裄丈だけはどう仕様も
ありません。
それは、裄丈が肩幅と袖幅で
出来てる為、反物の幅以上には
出来ないのです。
お借りしました。
着物の仕立て方は、地方で
細部に多少の違いはありますが
基本的には同じです。
ですので、反物を断つのも
基本的に同じです。
お借りしました。
留袖や色留、訪問着など
いわゆる絵羽物と言われる
着物は、上前から脇、
後ろ見頃と柄を合わせます。
お借りしました。
反物を裁断し仮に
着物の形にしてから
柄付けをしてゆきます。
生地的には、余分や
余裕がありません。
ですが、ここで注目する所が
一か所だけあります。
地衿(本衿とも言う)の横に
共衿(掛け衿とも言う)があります。
この共衿(掛け衿)、本衿の上に
掛ける衿なのです。
お借りしました。
ですので、この共衿を裄丈の
足らない分に継ぎ足して
裄丈を伸ばす作戦にしました。
幸い留袖は、胸から袖にかけて
無地ですし衿も無地ですので
この様に出来ました。
で、共衿の無い着物では
格好が付きませんので、
ここは本衿をつまんで、
ひだを付けて共衿が掛かてる風に
仕立てます。(通称、嘘つき)
これで、裄丈問題は解決。
で、もう一つの問題は、
年代物の留袖や喪服でよく
ある事ですが黒色が退色して
羊羹色になっています。
今では化学染料の進化で
1回ブラック染料を使えば
黒色に染まります。
ですが、以前の黒染は3度染が
主流で簡単に言えば草木染で
赤褐色、青、から黒色となります。
この草木染が災いして
経年で退色してしまいます。
当店の留袖と比較すると
よく分かります。
この比較する事で
よく分かる事が厄介で
留袖や喪服をお召しになる時は
参列者が黒い衣装をお召しに
なられます。
そう、比較が出来てしまうのです。
これを解決するには、
柄の所を糊で伏せて
黒染をすれば大丈夫。
これには少しばかり値の張る
加工料金が掛かってしまいます。
今後、加工をされるかは
お客様とご相談して決めてゆきます。
この様に和装のお困り事
何でも承ります。
最善の方法をご提示いたしますので
お気軽のご相談くださいませ。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。